久しぶりに小説を読んだ。
ひとの気持ちが聴こえたら 私のアスペルガー治療記
小説というか、体験記。ノンフィクション。だけど、小説のような体裁で読みやすい。
著者はアスペルガーで人の気持ちが読めない。
人の表情や言動から、相手が何を思っているのかを、把握することができない。
それをコンプレックスに感じていた彼は、あることをきっかけでTMSを受けるきっかけを手に入れることに。
TMSとは 経頭蓋磁気刺激法(けいとうがいじきしげきほう、英: Transcranial magnetic stimulation、TMS)は、おもに8の字型の電磁石によって生み出される、急激な磁場の変化によって(ファラデーの電磁誘導の法則により)弱い電流を組織内に誘起させることで、脳内のニューロンを興奮させる非侵襲的な方法である。この方法により、最小限の不快感で脳活動を引き起こすことで、脳の回路接続の機能が調べられる。
Wikipediaより
要は頭に電気を通して、考え方とか感じ方を変える実験だ。
TMSを受けることによって、彼は人の気持ちがわかるようになった。
相手が怒っている、悲しんでいるなど、言葉以外から受け取る、非言語コミュニケーションが理解できるようになった。
いわゆる、普通の人らしく、コミュニケーションがとれるようになった。
もちろん、それはいいことだけではない。
人の気持ちに気づくようになると、人の気持ちが気になってしまう。
私たちが、「他人のことなんて気にせず、自分らしく振る舞えたらなぁ」と思うように、彼も他人の気持ちが気になり出してしまう。
人の「気持ち」というものが、どこからどういう風に生まれるのかということに、興味があった。
自分が当たり前のように、人の気持ちや感情に気づくということが「できない」人がいる。
なんで、わかってくれないんだろうと、勝手に期待して、絶望して、落ち込む。
でも、自分だって、相手の気持ちに気づいていないかもしれない。
私は人生で、「アスペルガーです」という人に出会ったことはないけれど、日本でも増加傾向にるという。
だから、出会ってきたひとの中には、アスペルガーの人はいるかもしれない。
考えてみれば、私たちの見た目が違うように、脳も心も考え方も感じ方も違うのだ。
それを改めて認識する1冊でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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