私は本を読むのが好きです。学生時代の頃から、結構な数の本を読んできたのに、残念ながら、もう忘れているものが多いです。
思い出せない記憶でも、脳には実は保存されているという研究もあるそうで、私の読書時間は無駄ではなかったと思いたいものです。
ところで、本を読んでいると、「何度も耳にしたことのあるよくある言葉」で、たまに感動したりすることがあります。
読書だけではなく、人と話している時でも、友人や知人から言われた何気ない言葉に、はっとさせられることがある。

これって、なんなんでしょうね。
だって、そういうものは、大概、ありきたりな言葉なんです。
どこかの本やテレビやラジオで聞いたことのある言葉。
でも、それが自分の心に響くのって、タイミングがあると思うんですよね。
例えば、子どものいなかった人が、自分の子どもが産まれてから、子育てに関する格言が、やたら心に染みるように感じる。
誰かに傷つけられた過去があれば、誰かを傷つけてしまったかもしれないと、すぐに気づくことができる。
忙しさで体調を崩して、体が資本だと感じる。
立場、状況が変わって、「ああ、あの言葉はこういうことなんだなぁ」と、ようやく思える。
つまり、どんなにたくさんの言葉を吸収しても、その言葉の真意に迫れるのは、そういう状況に立った時ということなんじゃないだろうか。
でも、もともとたくさんの言葉を保存している人と、保存していない人では、きっと困難な局面に向き合った時、その言葉を引っ張り出せるか出せないかに、差があると思う。
自分の中にたくさんの言葉のストックを持っていれば、それは転んだ時の杖になりうると信じて。
今日も私は本を読むのでした。