大学生の頃は、観劇が好きで、よく友達と舞台を見にいっていた。
宝塚に劇団四季、アマチュアの舞台や、アニメ、漫画の舞台。
転職して一人暮らしを初めて、結婚して、だんだん劇場から足が遠のき、出産前に「レ・ミゼラブル」を観に行ったのが最後だった。
それから、漫画からもアニメからも、そして舞台からも遠ざかった。
空想というか、「物語」というものに、興味が持てなくなった。
一時期はフィクションが読めなくなるほど、現実的なことばかり考えていた。
最近は、小説もぼちぼち、映画もまぁまぁ観るようになってきている。
今日、たまたま劇団四季のYouTubeの宣伝を見た時、前のように観たいという感情が湧かなかった。というか、若干、引いてしまった自分に驚いた。
劇だから、言動や振る舞いが大袈裟なのは、当たり前だ。
でも、劇と思っていても、自分の中でそれを受け入れられなかった。
ああ、もう今の私には舞台は必要になくなったのだ、と悟った。
今も舞台が好きな友達もいるけれど、彼女のように、そこまで夢中になれない。
多分、若い頃の自分は「舞台を観に行く自分」というのが、好きだったのだと思う。
ちょっと、そういうカッコつけたいところがあった。
友達ほど、純粋に舞台とかお芝居が好きではなかった。
歳をとってから、カッコつけたいとかそういう気持ちもなくなり、自分の気持ちに正直になった。
お金と時間をかけて舞台を観るより、ネットで手軽な娯楽を楽しむ方が、楽ちんだと感じてしまう。
舞台の上は所詮、舞台の上で、やはり今の私はリアルな人間を観察している方が、面白いと感じてしまう。
昔はあんなに好きだったのに・・・という若干の寂しさと、自分の心の変化への興味深さ。
また、いつか舞台を見たくなるかもしれないけれど(宝塚のポーの一族の再演があれば、是非観たいが)、人間って、やっぱり一定じゃないんだよなぁと思った。
好きという情熱は、年とともに変化していく。
それは、寂しくもあり、でも、だからこそ、今、好きなものには、とことん熱中したいなと思った。
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