明るくて陽気、誰からも愛される。
そんなキャラクターの友人のSNSで「鬱」という文字を見た時は、意外に納得してしまいました。
彼女は友人も多くて、SNSの投稿は友だちとの旅行など、楽しそうな写真ばかり。4ヶ国語を操り、キャリアもある。自分の意見はしっかり言う。
でも、時々、自信をなくして「私なんて、美人じゃないし」「私なんて、できないし」と、弱音を吐くことが、度々ありました。
そんなこと、ないのに。
きっと、多くの友だちが私と同じように、「そんなことないよ」「美人じゃん」「すごい仕事してるじゃん」と、たくさんフォローしてきたと思います。
けれど、彼女には届かなかった。性格の問題か、環境の問題か。
どんなに、素晴らしいものを持っていても、満たされない何かがあったのでしょう。
私も、時折、他人と比べそうになることがあるけれど、「それは、本当に私がやってみたいこと?」と、聞くようにしています。
他人の持っている物に羨ましいと感じた時。
素晴らしいキャリアは、それを維持するために命を削って働いているということ。
友だちと毎週末遊んでいるなら、その分、自分一人の時間がないということ。人付き合いに、たくさんの気力を割いているということ。
素晴らしい恋人がいても、表からはわからない二人の苦労があるかもしれないということ。
家族がいれば、家族のいる煩わしさがあるということ。
一人の自由きままさも、一人の寂しさがあるということ。

人が持っているものは、とてもよさそうに見えます。
でも、それを取り替えることって、できないんですよね。
他人に成り代わることはできない。
上には、どこまでも上がいる。
自分で変えることができることに、限界はあるので、今の自分の持っているものに満足することは、この競争社会の中で生き抜くための、逆張りな戦略かもしれません。
自分の中にささやかな幸せと満足感を持てば、他人からの承認がなくても、ただそれでいいと思えるようになります。
彼女はきっと、誰かの何かが羨ましくて、それを持っていない自分が許せなかったのでしょう。
自分のことは自分が許してあげたいものです。