「自分探し」とか「本当の自分」という言葉が出てくると、警戒する。
胡散臭くて、しょうがない。
とりあえず、今、目の前にいる自分が自分じゃないのかなと思う。
ここにいる自分は本当の自分じゃないといって、自分を探して、どうするんだろう。
知り合いが「本当の自分に出会えるワークショップ」と称して、イベントを主催していた。
本当の自分に出会える。
何をもって「本当の自分」って言うんだろう。
そういう形の見えない、主観的なふわふわしたものは、いくらでも高い値段が付けられるから、いい商売だ。
自分なんて、年齢や環境の変化と共に、考え方も生き方も違う。
全く考え方のブレない自分なんて、いるはずがない。
自分がよくわからない。
その不安を、お金を払って、他人に埋めてもらう。
それで、満足を感じるのなら、別に構わないとは思う。
そういう私も、占いとか読むし。
でも、あくまで楽しみや暇潰しでしかない。
まぁ、「そういうこともあるかもね」で、でしかない。
あなたは本当の自分を生きていない、と言われると、そういうあなたは私の何を知っているんですかと思う。
もちろん、他人の客観的意見は必要な時がある。
人間は偏見を持つ生き物だから、適度に他人の意見を参考にして、自分を客観視する機会が必要だ。
でも、「他人にお前は本当じゃない」なんて言われる筋合いはない。
そういうあなたは本当の自分というものを、よくわかっていらっしゃるんですか?と聞きたい。
「本当の自分を生きる」=「他人の意見に左右されないこと」
と言う人もいるかもしれない。
でも、全く他人や世間の意見に左右されないことって、あるんだろうか。
人間は社会性を持つ生き物だから、どうやっても、他人や社会から影響を受けている。
自分の中の価値観は、全て、誰かの二番煎じ。
真にオリジナルな意見や考えや生き方なんて、今はほぼないだろう。
TVやネットや友人や家族に影響されて、今の私たちはいる。
「個性」が持てはやされるようになって、人と違うことがいい、みたいな価値観が流行った。
でも、結局、人と違うことをしようとして、人と違うことをしている人を真似ているだけにしかならないことが多い。
人と違うことをしなければならないなんて、思わなくていい。
「本当の自分」なんていう言葉に惑わされなくていい。
生きるために必要最低限のお金を稼いだら、あとは今の自分が夢中になれることに、集中すればいいんじゃない。
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